新世代が育ちつつあるアルファ世代について

　「Z世代が今後の消費の中心となる」といった話題が交わされる中、さらにその先の「アルファ世代」がすくすくと育ってきています。今回はアルファ世代と称される人たち（現在は子どもたち）について、ご紹介します。

アルファ世代とは

　アルファ世代について、厳密な定義はまだありません。おおむね、2010年代から2020年代中盤にかけて生まれる世代、とされています。つまり、これから生まれるであろう子どもたちも含めての話になるのです。アルファ世代の親に当たるのは、ミレニアル世代の人たちが多くなります。

「アルファ世代」という言葉を提唱したのは、オーストラリアの人口統計学者であるマーク・マクリンドル氏。「Z世代」の次の世代となるため、「α」が採用されたとのことです。

●1981年～1996年頃に誕生：ミレニアル世代（Y世代）
●1997年～2012年頃に誕生： Z世代
●2010年～2025年頃に誕生：アルファ世代

アルファ世代と他の世代はどう違う？

＜アルファ世代とZ世代の比較＞
アルファ世代は、2022年の現在だと一番年上で小学6年生。
対してZ世代は、現在は中高生から20代半ばになります。
Z世代自体、それまでの世代とは行動様式や価値観が大きく異なるとされてきました。スマホネイティブのSNS世代であり、幼い頃からデジタル環境下でのコミュニケーションや情報収集に慣れ親しんできた人たち、という捉え方です。彼らに続くアルファ世代は、さらにデジタル環境が進化した中で育つ、と言えるでしょう。小学校でのプログラミング教育が行われ、タブレット端末でのオンライン授業などが普通になってきています。withコロナの昨今では、ますますその流れは強くなっています。

＜アルファ世代とミレニアル世代の比較＞
ミレニアル世代は、現在だと25歳から40代といった層です。
年齢的にみれば、「ミレニアル世代の親：アルファ世代の子」という関係が多くなります。
ミレニアル世代といえば、地球温暖化などの環境問題や、ダイバーシティなどの社会課題などに関心が高い人たちと言われています。考え方が柔軟で、所有することより経験すること（コト消費）への価値観を重視する傾向も見られます。そうした考え方は、子どもであるアルファ世代の暮らしにも反映されるでしょう。アルファ世代自体は、まだ自分自身では購買力もなく、行動するにも制限が多いですが、親世代の影響のもと、現代社会でどのように成長していくのか。その動向は今から注視されています。

アルファ世代の特徴

アルファ世代の特徴を列挙してみます。

1.さらに進んだデジタルネイティブ
学校ではタブレット端末が支給され、家庭でも幼少期からデジタルデバイスに触れる機会が多いであろう彼らは、一層進化したデジタルネイティブ（生まれた時から日常的にデジタル環境で育つ）と言われています。ミレニアル世代やZ世代を見て育つ中、やがて多様なSNSでのコミュニケーションを経験し、キャッシュレス決済やサブスクリプションなどのサービスも、ごく当たり前に使いこなしていくでしょう。

2.withコロナの生活様式
新型コロナの終息はまだ見えておらず、 withコロナの生活様式もしばらくは続きそうです。マスクをつけて、密にならない、相手と距離をとるといった「リアル」なコミュニケーションが一般化する中で、「バーチャル」やオンラインでのコミュニケーションに費やす時間が増えていることは、これから多感な時期を過ごす彼らにも様々な影響を与えると考えられています。

3.コスパよりタイパ（タイムパフォーマンス）重視
デジタル環境下では膨大な情報が手に入ります。興味のあるものだけを取捨選択するにしても、その選択自体に時間がかかってしまうことも。そのため時間の使い方にはよりシビアになる傾向があります。動画の早送りやまとめ記事の人気などは、効率よく情報を消費する一つの例と言えます。こういった傾向はZ世代とも共通しています。

世代間は影響しあって成長したい

　今はまだ小学生よりも年下のアルファ世代。彼らが大人になる頃は、どんな世界になっているのでしょうか。その上のZ世代、ミレニアル世代、さらに上の世代の人たちも、 異なる世代の考え方や行動に共感したり、影響されることは多々あります。

　「世代」と一括りにされがちですが、私たち一人一人の価値観やライフスタイルは、厳密には皆ちがうはず。お互いに、良いところは見習い、吸収しながら、新しい時代をなるべく上手に生き抜いていきたいと願っています。

新世代が育ちつつある アルファ世代 について